So-net無料ブログ作成

喜寿の歌五首 [詩歌]

image-20180301141218.png


2015年、後期高齢者になったとき、狂歌に限りなく近い「戯れ歌 後期高齢15首」を詠んだ。
その中の三首目に
二年後に喜寿祝わんと願いけり幾つになっても極楽とんぼ
というのがある。

そして昨年の夏、「極楽とんぼ」はめでたくも喜寿を迎えた。
体調も良くないこともあるせいか、気持ちのノリが悪いというか、今回はなかなか戯れ句、戯れ歌でもつくろうという気になれない。はなはだ冴えない。
この歳2017年は、身内のほか学生時代世話になった方や会社の先輩などの急逝・訃報に接したことも多分に影響している。
しかし、単に老齢化による感受性の鈍麻と語彙の忘却が進行して歌など浮かぶどころではなくなりつつあるだけのことのようだ。
人に読んで貰えるようなしろものではないが、生活の備忘録として喜寿の歌5首。

喜寿の会 六十年の再会に 面影浮かぶ人 一人いて
九十歳 何がめでたい 喜寿なれど 喜こばずや 蒲柳の我は
「TENQOO・(天空)」に 祝いし喜寿の 目の下の 「東京ビル」に 新人がいた
いまどきは「ハルサイ」を聴く中二病 綾香聴く喜寿 我は何病
喜寿の年 9年ぶりの 内視鏡 画面の大腸 朱き雉の目

一首目 2017年6月、那須烏山市那珂川町の馬頭温泉郷 「東家」で故郷境中学の同窓会に出席した。
二首目 佐藤女史の「90歳で何が目出度い」という気持ちも分からぬわけではないが、当方は身体が丈夫な方ではないので喜寿でも素直に嬉しい。
三首目 7月東京駅の高層ビルにあるレストランに子供達、孫、姉が集まって喜寿を祝ってくれたとき、東京駅全体と周辺が真下に見えた。郵便局の近くに自分が社会人1年生としてスタートした職場のあったビルが眼に飛び込んで来た。一瞬にして当時のことを想起した。
四首目 この歌のことは、既にブログに書いたので省略。
http://toshiro5.blog.so-net.ne.jp/2018-01-08
五首目 11月区民検診で便潜血が陽性と出た。大腸の内視鏡検査は、前回は2008年だから9年ぶり。済生会中央病院で3つのポリープを取ってもらい組織検査もして貰った。
医者が問題ないとの検査結果を説明してくれた時のモニター画面。そこに現れた我が大腸の写真は、赤くて雉の目のように見えた。喜寿の目。オキーフの描く花にも似ていた。

喜寿の感慨を詠んだものではないが、他にこの年に作った歌五首。上記喜寿の歌に劣らず 、出来が悪くてわれながら情け無い。

二つ上 病みし兄の 乾く喉 姪の飲ませし 水に微笑む(1月蘇我にて)
一つ上 頭上がらぬ 先輩の 訃報に悲し 「WAKITYAN!」の声(1月柳井さん逝く)
籾蒔いて水やるだけの三ヶ月 ワインバケツに稲の花咲く(5月バケツ稲づくり挑戦)
アイフォーン 冥土のみやげと買い替えて ユーチューブにて裏技磨く(5月鷺宮ドコモ)
教え子の 兄の手紙を 読む前に 母なる人の 訃報とぞ知る(6月長男敏博君が喪主)


冒頭に記したように、後期高齢者になったときは、狂歌に限りなく近い「戯れ歌 後期高齢15首」を詠んだ。喜寿の歌と比べて見たくて再掲。

滑稽を腰折れうたに詠み込みて明晰頭脳ボケのはじまる
真実を吐けばすべてが狂歌(うた)になる白髪頭の蜀山人か
二年後に喜寿祝わんと願いけり幾つになっても極楽とんぼ
鰻食ふ茂吉あやかり喰べているスーパー目玉さんま蒲焼
歩くより車が楽と言い訳し逆走怖いが免許更新
たびぐつと暖パンはきて渋谷まで破廉恥爺に怖いもの無し
光陰は新幹線と思いしが乗ることは無いリニアのごとし
妻や子に悪態をつくかたわらで憎まれ爺は猫に優しき
ヴァーチャルに遊ぶ老人のアイパッド白煙のぼる玉手箱かな
億劫と鬱は紙のうらおもて思い知らさる老懶(ろうらん)の春
億劫はそも人の世の常なれど無洗入浴老痩躯かな
バロックの通奏低音聴いてゐてイヤホンはずし 難聴を知る
朝ドラの祖母を演じる女優こそわが青春のアイドル愛(かな)し
愛しあい罵りあいて偕老の洞穴入りて半世紀過ぐ
めでたくも金婚式と重なりぬ蒲柳の夫婦(めおと)感謝あるのみ

ついでに古希を迎えた時、七福神にかけて思いのたけを七句の戯れ句に込めたのを再掲。
       
        古希なれば鏡のうぬは布袋腹
        古希なれど足るを知らない福・禄・寿
        古希なりて我が夢のゆめ寿老人(じゅろうじん)
        古希迎え弁財天とサファイア婚
        古希ならば無理してつくれ恵比須顔
        古希老に小槌貸してや大黒天
        今ぞ古希毘沙門天のご加護あれ

後期高齢15首
http://toshiro5.blog.so-net.ne.jp/2015-02-21

歳をとるにつれ歌や俳句は上手くなるのではないかと思っていたのは、幻想(でなければ錯覚)に過ぎなかったとしみじみと思う。

絵は本文とまったく関係ない。「Vサイン」Watercolor (Arches 28.5×38.0cm)

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。