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老眼・老耳・老歯 [健康]

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家人はめがねがずり落ちてきて気になると言う。
ずり落ちるのは随分前からのことで、鼻眼鏡になっていたのだが、あまりこれまで気にならなかったのに、と嘆いて眼鏡店に行くと決めたらしい。例によって散歩代わりにとついて行くことにした。
そういえば、だいぶ前に駄句を作ったことを思い出した。

秋の夜半 アガサ読む妻 鼻眼鏡
妻籠俳句(めろうはいく)である。

眼鏡屋さんは、奥さんこれすぐ直りますよ、と鼻にあたる部品を取り替えてくれた。一件落着。ついでに自分のも替えてもらう。二人で1200円。

店頭に並ぶ補聴器を見ていたら、鴨ネギと見られたらしく、ご興味があれば検査しますよと言ってプリントしてくれた結果は次の通りであった。
平均聴力レベル 右 53dHBL 左58dHBL
語音弁別能 右85% 左80%
健聴は20デシベル以下であり、しっかり「中等度難聴」という。
たしかにずっと電話や会話が聞き取れず困ることが多い。テレビドラマもほとんど会話が理解不能で、ついに「字幕」に切り替えた。フィットネスのインストラクターの声もマイクを使っていないとほとんど聞こえない。人間ドックでは聴覚はいつも成績不良である。

家人は自分より軽度だが、耳鼻科で診察してもらい、左耳にすっぽり入る小さな補聴器を購入して使い始めた。一方で表参道の眼鏡店に行き、赤と白のフチのフランス製眼鏡を買って来た。お洒落してどこかに出かけたいなどと言っている。

自分は都合の悪いことは聞かなくとも良い、と頑なに補聴器は使わないと嘯いているが、いつまでやせ我慢していられるか心許ない。
強度の近視で小学4年生十歳の時から眼鏡は体の一部になっているが、近眼のせいか「老眼(ろうがん)」というのは実感したことがない。だから遠近両用というのはかけたことがない。
老眼ならぬ「老耳(ろうじ)」という言葉は聞いたことがないが、最近は難聴が認知症の原因にもなっているのだと指摘されて話題になっているという。たしかに人と話すのが億劫で「引き籠り→認知症」の遠因には違いない。
眼鏡も補聴器も「身体障害者」から免れる大事な道具だが、いずれも高価で保険の適用外なのが難点である。眼鏡店の店主によれば、補聴器は片耳20万前後のものでないと煩わしくて辛いし、両耳とも使用するのがお薦めという。アイパッドが4台買える。

ついでながら、歯の方は幼少時砂糖の無い時代に育っただからと、虫歯がないと自慢していたのに、手入れも悪いこともあって早々に悪くなった。親知らず以外の歯を2本抜いてブリッジがひとつ入っているが歯医者通いはかかせず情けない。

ふと、自分より年上の画友(女性)が、雑談していたとき「私たちは眼、耳、歯などを順次神様にお返ししていくのよ」、と言っていたことを思い出す。
まさしく眼鏡も補聴器も入れ歯もそれまでの、はかないアンチエイジングだが。さはさりながら。
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