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後期高齢十五首 [詩歌]

古希を迎えた時、七福神にかけて思いのたけを七句の戯れ句に込めた。
       
        古希なれば鏡のうぬは布袋腹
        古希なれど足るを知らない福・禄・寿
        古希なりて我が夢のゆめ寿老人(じゅろうじん)
        古希迎え弁財天とサファイア婚
        古希ならば無理してつくれ恵比須顔
        古希老に小槌貸してや大黒天
        今ぞ古希毘沙門天のご加護あれ
        
あと半年足らずで後期高齢者になる。
今度は戯れ歌にした。狂歌である。最初、すべての七七の前七(第四句)に後期高齢と入れたが、連作「後期高齢」と題すれば不要だろうと気がつき省略した。一首につき七文字がほかに使える。十五首で百五文字の得。が、後期高齢を入れたほうが味の出るものもありそう。
ん?この部分は、短歌の異称「腰折れ」の由来となった部分だったのではなかったか。腰は第三句のことで、第四句とうまくつながらい歌が腰折れ。

連作 戯れ歌 後期高齢

滑稽を腰折れうたに詠み込みて明晰頭脳ボケのはじまる
真実を吐けばすべてが狂歌(うた)になる白髪頭の蜀山人か
二年後に喜寿祝わんと願いけり幾つになっても極楽とんぼ

鰻食ふ茂吉あやかり喰べているスーパー目玉さんま蒲焼
歩くより車が楽と言い訳し逆走怖いが免許更新
たびぐつと暖パンはきて渋谷まで破廉恥爺に怖いもの無し

光陰は新幹線と思いしが乗ることは無いリニアのごとし
妻や子に悪態をつくかたわらで憎まれ爺は猫に優しき
ヴァーチャルに遊ぶ老人のアイパッド白煙のぼる玉手箱かな

億劫と鬱は紙のうらおもて思い知らさる老懶(ろうらん)の春
億劫はそも人の世の常なれど無洗入浴老痩躯かな
バロックの通奏低音聴いてゐてイヤホンはずし 難聴を知る

朝ドラの祖母を演じる女優こそわが青春のアイドル愛(かな)し
愛しあい罵りあいて偕老の洞穴入りて半世紀過ぐ
めでたくも金婚式と重なりぬ蒲柳の夫婦(めおと)感謝あるのみ

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狂歌(きょうか)は、社会風刺や皮肉、滑稽を盛り込み、五・七・五・七・七の音で構成する諧謔形式の短歌、つまり、和歌に対して,狂体の和歌,すなわち純正でない和歌という。ひなぶり (夷曲,夷振) ,えびす歌,狂言歌,ざれごと歌,たはれ歌,ざれ歌,俳諧歌,興歌,へなぶり,など異名がたくさんある。
江戸時代の中、後期、特に天明(1780年代)の頃 隆盛を見た。
寛政の改革(1787ー1793)を皮肉った
白河の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼こひしき
黒船来航(1853)の幕府対応を揶揄した
泰平の眠りを覚ます上喜撰 たつた四杯で夜も眠れず
などは誰もが知っている。
古くは万葉集」の戯笑(咲)歌,「古今集」の誹諧歌,軍記物語中の落首なども狂歌だという。
狂歌師としては、狂歌三大家と言われる唐衣橘洲(からころも きっしゅう) 、蜀山人(太田南畝) 朱楽菅江(あけらかんこう)が著名。 ほかに宿屋飯盛 (やどやめしもり)、 蔦唐丸( つたのからまる)、酒上不埒(さかのうえのふらち) 筆の綾丸 (ふでのあやまる=喜多川歌麿)、多田人成(ただのひとなり)土師掻安(はじのかきやす)など。
川柳が現代に生き残っているのとは対照的に、いま狂歌をあまり作る人がいないのはどうしてか。

さて、こうしてみるとわが後期高齢の狂歌は、社会風刺になっていないのでただの老人の嘆息、つぶやきに堕してすこぶる迫力に欠ける。

しかも全体のトーンは、独り善がりの自虐、自嘲。先の古希の句も自嘲句なら、今回も自嘲歌。可愛げがない。
なお、余計ながら第六首の「暖パン」は知る人ぞ知るが、「たびぐつ」の方は説明が要る。職人さんが履く靴(足袋靴)であるが、老人には実に履き心地が良い。優れものであり一度履いたら手離せ、いや足離せない。

肝心の後期高齢者医療制度については、嫌われるその名称のことでなくほんとうのことを、当事者としてじっくり考えてみる必要があると自覚はあるが、何やら億劫だ。またの機会にしよう。

以下蛇足。60代はヤング-オールド、70代はミドル-オールド、80代はオールド-オールド、それ以上はオールド-パァという区分が確か阿川弘之の随筆にあったが、前期を65歳からとし後期を75歳からとするこの制度はこの5年きざみに実際的な意味があるように思う。
75歳から後期、実は終末期、とするこの区分は、90以上はパァとする区分より厳しいが、行政としての都合でやむを得まい。
阿川弘之氏は1920年生まれだから今年95歳。長寿医療制度の恩恵にあずかって、ご健勝のことと思う。
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